カレル橋
華為大学は 華為の企業研修施設として、華為職員・関係者の研修が行われる教室・講義室ゾーン、コンベンション機能と来客のための宿泊機能がひとまとまりとなった宿泊・コンベンションゾーン、その中央に置かれて華為の知的探求心のシンボルになっている図書館 の3ゾーンからなる。教室・講義室ゾーンではストックホルムの水辺風景が再構築されて、街並みの中で学ぶという体験を作り出している。宿泊コンベンションゾーンではプラハの風景をモチーフに水辺に立ち上がる丘の風景が再構築され、大通りや細い街路などが訪れる人々に街並みの大きな変化を感じさせてくれる。中央の半島にはフランスの古典様式を忠実に再構成した図書館が知の追求の象徴として緑の中に堂々とした姿を見せている。
| プロジェクト発足の背景 | 内容 |
|---|---|
| 初めてその敷地に立った時 | のどかな田園風景の中に水面が絡み合う敷地で 松山湖研究開発基地の対岸にあるが 公園の人々の動線からは近く よく見える位置にあった。水面を加え込む形になるので どのようにその絡み合いを活かすのかが決め手になると考えた。公園に多くの人々が訪れることを意識し 建物群が公園から見てどのように見えるか。(公園の景観として一体化したものになりうるか)を意識した。 |
| デザインの変遷と最終結果 | 歴史的建築物・街並を再構築するという手法はすでに対岸の研究開発施設の設計において経験したものであったので ここではよりその手法を習熟したものとすることを目指した。用途として研究施設側と違って 大きな教室群や図書館 プレゼンテーションホール ホテルなど要素が多様で複雑になってきたが これは建物に変化を与える動機として積極的にとらえた。 |
設計過程の議論の中で | カレル橋について もともとは3つゾーンを結びつける機能を持つ連絡橋的な作りを想定して検討を進めたが その方式をあきらめ 両端の図書館の部分を飛ばして 大きく水面を横切って教育研修ゾーンとコンベンションゾーンをつなぐものとした。また本来のカレル橋は直線だがここでは緩やかにカーブする1本の橋として扱うことになった。結果としてこの橋が湖から見ても上を歩く人にとっても 景観に大きなドラマを創り出すシンボルとなった。 |
設計中の困難 | 教育研修ゾーンの平面計画。平面的に大きな講義室群の連続性確保と外観の細かく変化する様子を整合させて街並らしい風景を創り出すことが困難な課題であった。 |
最後まで貫いた設計上の理念 | 「歴史建築風」を勝手にでっちあげるのではなく しっかり学んで再構築すること。近代様式に逃げ込まないこと。 |
完成後嬉しかった瞬間 | 一般の人々のキャンパス入場はできないが 外から眺める歴史建築の景色が松山湖の公園風景の一部になって 公園を訪れた多くの一般人がその風景を楽しんで この大学施設を眺めながら公園でピクニックをしたり 結婚の記念写真の背景にしたり公園来場者が飛躍的に増えたこと。 |
設計裏話 | 図書館の楕円形の大閲覧室は パリのリシュリューという国立図書館の閲覧室を手本にしたものだが その工事には本物のリシュリューの内装改修工事で装飾を作っている職人をフランスから招いてこちらも作ってもらうなど 徹底した本物志向が貫かれた。これはファーウェイの世界中の価値あるものをしっかり集めたいという志によるもの。 |